手技療法を行う上で知っておきたい軽擦法とは?【手技のポイントを知ろう!】

手技療法の知識
この記事は約4分で読めます。

軽擦法の解説

この記事では手技療法を行う上で知っておきたい軽擦法を解説していきます。

軽擦法ってなに? 

軽擦法は『けいさつほう』と読みます。

別名、按撫法とも呼ばれており『あんぶほう』と読みます。

軽擦は『軽』は軽く『擦は擦る(こする)という意味です。

按撫は『按』は按(あん)ずる(上から手で押さえるという意味)『撫』は撫でる(なでる)という意味です。

手のひらや指を使い、対象部位を摩る(さする)擦る(こする)といった軽めの摩擦を与えながら行う技法です。

マッサージは軽擦法に始まり軽擦法に終わると言われ、マッサージの一連の流れの中で開始と最後の仕上げに行われることが多い手技です。

軽擦法の基本動作

まず施術部位の開始位置を決め、手のひらや指を密着させます。

開始位置を基準にし、やや軽めの圧を加えるように施術したい方へ向かって体表を滑るようにさすります。

さすった後は、始めに触れた位置へ戻します。

開始位置から施術したい方向へかってさすった手を再び開始位置に戻す時は、少し手の力を抜き、手の当たりを弱めながら滑るようにさすり開始位置に戻していきます。

このような動作をリズムよく繰り返していきます。

さする際には施術部位からなるべく手を離さず、常に術者の手が受ける側の体表に触れている状態を維持し、同じ動きを繰り返します。

常にリズムよく触れられていると、受ける側の安心感が増していきます

軽擦法の種類

軽擦法は、施術者が使用する手の部位によっていくつかの種類があります。

  • 手掌軽擦法:手のひら使いさすります。
  • 拇指(ぼし)軽擦法:拇指(親指)だけを使いさすります。
  • 二指(にし)軽擦法:拇指と示指(人差し指)の二本の指を使い挟むようにさすります。
  • 四指(しし、よんし)軽擦法:拇指以外の四本の指だけを使いさすります。
  • 指顆(しか)軽擦法:握り拳を作り拇指以外の四指の背側や指関節を使いさすります。

軽擦法の効果

軽擦法の効果は、軽く摩擦することで体表温度が上昇し血液の循環循環も促進します。

血液の流れがよくなることで、血液に含まれている栄養が体の各細胞に行き渡り活性化したり、体にたまっている老廃物を排出するといった効果を得ることができます。

軽擦法の気をつけたいポイント

マッサージ開始から強い刺激が加わると、受け手が緊張し体がこわばってしまうこともあります。

始めに軽擦法を行うことで、受け手側の心の準備が整い不安を軽くするという効果もあります。

また、施術者の手のひらの温度が冷たい状態で受け手の体表に触れてしまうと、手のひらの冷たさが伝わってしまい受け手を驚かせてしまいます。

施術の前に施術者自身の手のひらが冷たいと感じた場合は、自分の両方の手のひらを擦り合わせ温めてから開始してください。

特に冬場に行う時は注意してください。

リラックスした状態から開始すると受け手側の余分な力が抜け、安心感が生まれ施術が受け入れてもらいやすくなります。

そうすることで、より高い効果を生み出すことができます。

施術部位に対して、適した手法の選び方の基礎となるものはありますが、この施術部位に必ずこの手法を使いましょうといった決まりはありません。

施術者の体格と受け手の体格の差・性別・年齢・基礎疾患はあるのか?などを考慮しながら、自分自身にあった手法を選択していけばよいでしょう。

どの手技療法にも言えることですが、男性女性にかかわらず、特に胸部・臀部・腰部・大腿部内側などデリケートな部位を施術する前には『臀部付近に触れますね』や『今からこの部位に触れますよ』ということを相手に一言伝えてください。

いきなり何も言わずに触れてしまうと、相手を驚かせてしまうこともあります。

いきなりデリケートな部位に触れたことで『セクハラだ!』と訴えられたという事例もあります。
誤解の無いように気を配りながら行ってください。

万が一そのような場面に出くわさないよう、自己防衛手段を事前に準備しておくことは大切です。

軽擦法のまとめ

冒頭で述べたとおり、軽擦法に始まり軽擦法で終わると言われているぐらい軽擦法は非常に基礎的な手法です。

そして軽く体表に触れるということは触診技術の向上にも大きくつながっていきます。

触診とは手や指で受けて側の体に触れ、熱感・腫脹・筋肉の張り具合などを診断する方法です。

体表に軽く触れることは、指先や手のひらの感覚を研ぎ澄ますための鍛錬に非常に有効であると考えます。

軽擦法に始まり軽擦法に終わるといわれていますが、施術の途中に取り入れてもなんの問題もありません。

施術の流れの中に取り入れることで、よいアクセントにもなります。

テクニックは無数にありますので、独自でアレンジしてくことも手技を楽しむ方法ではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました