今の柔道整復師の現状ってどうなの?
柔道整復師の資格を取得したいと考え、誰かに相談した時、
えっ?今から柔道整復師の資格なんてとるの?
あの業界は資格者が増えすぎて競争が大変でしょ。
理学療法士や作業療法士のほうがいいよ!
こんな答えが返ってきた人もいるのではないでしょうか?
結論から言いますと、年々柔道整復師の有資格者は増加しています。
競争が厳しいことも現実です。
これらの声は間違ってはいませんが、柔道整復師の資格をもっと深く掘り下げて考えてみると色々な可能性があるのです。
将来的には大丈夫なのか?
柔道整復師の資格を取得する理由で圧倒的に多いのは、整骨院が開業でき保険診療ができるといった理由で資格取得を目指す方が多いのではないでしょうか?
巷にあふれているリラクゼーションマッサージ店や、整体院などで勤務している方の中で、差別化を図りたい、ステップアップを目指す意味で柔道整復師の資格取得を目指す人もいると耳にします。
晴れて柔道整復師の資格を取得し、意気揚々と整骨院を開業したものの思っていたより仕事は激務で収入も少ない。
保険診療ができれば安定した収益につながると考えていたが思っていたのと違うというジレンマ。
こんなはずでは無かったのにと、無念にも廃業に追いやられてしまうという話も度々耳にします。
このまま、柔道整復師として生き残ることができるのだろうかと不安になる方も少なくないことでしょう。
柔道整復師は儲からない?
改めて柔道整復師の給与について見てみましょう。
柔道整復師の平均年収はおおよそ300万円といわれており、経験数に応じて年収は高くなる傾向にあります。
柔道整復師になって間もないアルバイトやパートのような形で勤務している柔道整復師は、時給はおおよそ1000円程度といわれています。
以上の点を踏まえて考えてみると、収入の格差を生む条件として年齢や実務経験、また勤務する地域で年収の格差がみられるようです。
しかし一概に柔道整復師の収入を先述した平均収入だけで判断してはいけません。
これは、あくまでも平均収入であって平均収入よりも上回る収入を得ている方がいるためこのような数字になっているということも理解しましょう。
柔道整復師が働く場所は、整骨院だけではありません。
高齢者の介護施設やスポーツジムでのトレーナーなどの様々な職場があり、実務経験を積むことで、別の国家資格を取得できるチャンスも生まれてくるのです。
これからの柔道整復師の生き残り方
柔道整復師の資格を活かすも殺すも自分次第です。
整骨院の開業を目指したが、途中で断念する方もいることでしょう。
しかし、気持ちの切り替えかた次第で働く場所はあります。
そのなかでもよく取り上げられているのは、介護業界での仕事です。
介護業界の世界を知らない方たちには未知の世界で、いきなり介護業界に飛び込んでいくには、かなり勇気のいることかと思います。
そこで、少しだけ介護業界でのお仕事について説明いたします。
柔道整復師が介護分野で活躍するには
柔道整復師が介護分野での働き方は、機能訓練指導員という位置づけで働くことができます。
機能訓練指導員は、介護保険法によって定められている職種です。
2000年に機能訓練指導員に関する介護保険法が施行されてからは、柔道整復師も機能訓練指導員として働くことができるようになっています。
機能訓練指導員の主な働き場所は高齢者が通うデイサービスや、入所している老人ホームなどです。
業務内容は、かんたんに説明すればリハビリ担当です。
厳密にいうとリハビリではないのですが、低下した日常生活動作の訓練を行うのです。
日常生活動作とは、日常生活においての身の回りの活動や動作のことです。
身の回りの活動や動作とは・・・食事(ご飯を食べる)、更衣(着替える)、整容(身だしなみを整える)、排泄(トイレで大便、小便をする)、入浴(お風呂に入り洗身、洗髪する)などです。
介護状態になってしまうと、これらの日常生活動作の低下が発生します。
それぞれの健康状態を分析して、計画を立てて機能訓練を実施し、心身機能の回復、または維持を図っていくのです。
別の記事で機能訓練指導員としての仕事内容を細かく説明してますので、よろしければそちらもご覧ください。
高齢化社会だからこそ
昨今、日本では高齢化社会が進んでいます。
65歳以上を高齢者としてみると、日本の人口の4人に1人は高齢者となっている状態です。
そのような時代で求められることは、ただ長生きすることを目指すのではなく、病気や怪我をすることなく生活することが求められています。
日本の社会では長生きすることが当たり前になってきており、柔道整復師にも高齢者が1人で健康に生活できるように、身体のメンテナンスを行うことが求められています。
また、柔道整復師の中には独立開業し、機能訓練に特化したデイサービスを立ち上げている人もいます。
柔道整復師でも高齢化が進んだ地域の第一線で活躍することができます。
地域に密着したサービスを提供することで信頼も得られ、柔道整復師として大変将来性のある働き方が期待できます。
求められる柔道整復師になろう
柔道整復師は、社会で求められている技術を持っています。
しかし、多くの競争相手がいることも事実です。
その中でも上手く他の柔道整復師との差別化を図ることが重要だと考えます。
そのためには時代の流れを読み、世の中でどのように求められているかを察知し、それらに対応していく知識や技術を身に着けていくことが必要なことではないでしょうか。
これから柔道整復師を目指している人、そして今後更なる成長を望んでいる人は、貪欲な気持ちで成長していくことを意識しましょう。
今回は柔道整復師の将来として介護分野での可能性を説明させていただきました。
柔道整復師の資格は多くの可能性を秘めています。
他にも柔道整復師ができることは何があるかを考えた記事もありますので、そちらも見ていただけますと幸いです。
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