柔道整復師の資格を幅広く活用させるには?知っておきたい障害福祉の基礎知識

柔道整復師LIFE
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柔道整復師の資格を幅広く活用させる方法を考えてみる

柔道整復師を始めたころの気持ちは、新しいことに挑戦するという期待感と同時に、患者さんを治療するという責任感や不安だったかと思います。

また、次第に経験を積み、自分自身を磨きながら、患者さんの健康をサポートするやりがいを感じていることかと思います。

この記事を読んでいる柔道整復師の方たちの中で、その柔道整復師の資格を幅広く活用させるためには、どのような可能性があるかを考えてみたことはありませんか?

本記事では、柔道整復師が障害福祉の分野で働く方法を説明していきます。

サービス管理責任者って知っていますか?

サービス管理責任者とは、障害福祉の分野において、利用者の福祉や安全を確保し、適切なサービスの提供や、施設で勤務するスタッフの指導、施設の運営管理などを統括する責任者のことを指します。

サービス管理責任者が働く場所

サービス管理責任者は以下のような事業所で働くことができます。

・就労移行支援事業
・就労継続支援A型・B型
・就労定着支援事業
・生活介護・自立訓練(機能訓練・生活訓練)
・共同生活援助(グループホーム)

各サービス事業所の内容は、別の記事にて解説したいと思います。

柔道整復師がサービス管理責任者になるにはどうすればいいのか?

サービス管理責任者の資格要件は、自治体によって異なることがありますが、一般的には、柔道整復師からサービス管理責任者になるために必要な実務経験年数は、柔道整復師の資格を活用した現場で5年以上の実務経験が必要とされることが多いです。

例えば整骨院やデイサービスの機能訓練指導員として従事していることです。

ただし、実務経験等に関する条件は、各自治体によって違いがあるようです。

ローカルルールがあるので、その地域の自治体へ確認する必要があります。

下記に関連記事がありますので、参考にしてみてください。

資格はどのようにして与えられるのか?

基礎研修を受講するためには、各自治体などが主催する研修に申し込む必要があります。

基礎研修は、通常2~3日間の集中講義形式で行われます。

研修では、障害福祉サービスの理念や法令、サービス管理責任者としての業務内容や役割、現場職員や利用者とのコミュニケーションなどを学びます。

基礎研修を修了した場合、修了証が発行されます。

自治体によっては、独自の試験を行うこともあるかもしれませんが、多くは研修やレポート提出などにより修了証が与えられます。

修了証を交付された後に、サービス管理責任者として従事するために、各自治体へ申請をすることでサービス管理責任者として配置されます。

なお、研修内容や要件は異なる場合があります。

詳細は、各自治体や研修機関のホームページを確認するか、問い合わせることをおすすめします。

サービス管理責任者の業務内容は?

障害福祉サービスを利用される障害者の相談援助を基本とした業務となります。

サービス管理責任者の業務内容は以下のようなものがあります。

➀利用者の支援計画の作成や見直し、実施計画の調整

サービス管理責任者は、利用者の方々がサービスを受ける上で必要な支援計画を作成し、その計画がうまく機能しているかを確認する責任があります。

例えば、ある利用者の場合、彼らがサービスを受ける上でどのような支援が必要か、どのような目標を設定すべきかを考えサービスを提供します。

そして、その支援計画を定期的に見直し、必要に応じて改善を行います。

また、実施計画の調整も重要な責任です。

例えば、利用者の状況が変化した場合や、新しい支援が必要になった場合には、計画を適宜調整する必要があります。

これらの調整を行うことで、利用者の方々がより良いサービスを受けることができます。

つまり、サービス管理責任者は、利用者の方々がより充実した生活を送るために必要な支援を提供することを目的として、支援計画の作成、見直し、実施計画の調整を行います。

②スタッフの教育・指導

サービス管理責任者が行う、スタッフの教育・指導とは、以下のような活動を含みます。

例えば、新しいスタッフが入社した場合、サービス管理責任者はそのスタッフに対して、サービスの提供方法や利用者への接し方など、業務に必要な知識や技能を指導します。

また、既存のスタッフに対しては、定期的に研修やトレーニングを実施し、業務の改善や技能向上を促します。

さらに、サービス管理責任者は、スタッフの業務における問題やトラブルが発生した場合には、適切な対応方法を指導します。

例えば、お客様からのクレームに対しては、適切な謝罪の方法や解決策を示し、スタッフが顧客満足度を高めるための対応を行えるようにします。

また、スタッフが業務において疑問や不安を感じた場合には、サービス管理責任者が的確なアドバイスや指導を行い、スタッフが自信を持って業務に取り組めるようにします。

このように、サービス管理責任者は、スタッフの教育・指導を通じて、サービスの質を向上させ、顧客満足度の向上や業務効率の改善につながる取り組みを行います。

③利用者やその家族及び関係機関との連絡・調整

サービス管理責任者は、利用者やその家族、関係機関などと連絡調整を行うことが求められます。

具体的には、利用者のニーズに応じたサービス提供を行うために、医療機関や相談支援専門員、福祉関係機関などと協力して、連絡や調整を行います。

また、利用者やその家族とのコミュニケーションも重要であり、利用者の状態やニーズを適切に把握し、サービス提供の改善や調整を行うためにも、定期的な面談や報告などを通じて連絡を取り合います。

緊急時には、関係機関や緊急対応機関との迅速な連携が必要となります。

そのため、サービス管理責任者は、事前に連絡先や対応方法などを確認し、適切な対応を行うための準備を整えておくことが重要です。

④記録の作成や報告書の提出

サービス管理責任者は、利用者の支援やサービス提供の管理を行う責任があります。その中で、記録の作成や報告書の提出も重要な役割の一つです。

具体的には、利用者の支援内容や進捗状況、健康状態や生活状況などに関する記録を作成し、それを管理することが求められます。

これらの記録は、サービス提供の質の向上や、利用者や家族とのコミュニケーションのために必要なものです。

また、報告書の提出については、関連機関や関係者に提出することが求められます。

これらの報告書は、サービス提供の透明性や安全性を確保するために必要なものです。

以上のように、記録の作成や報告書の提出は、利用者や関係者とのコミュニケーションやサービス提供の質の向上、透明性や安全性の確保のために不可欠な役割となっています。

以上に加えて、障害福祉サービスの種類や規模によって、業務内容は異なる場合があります。

また、サービス管理責任者は、その施設全体を管理する施設管理者と兼務することも可能なため、施設全体の管理の業務を行う場合があります。

より具体的な業務内容については、各サービス事業所における職務内容に従って決定されます。

サービス管理責任者は相談支援の専門業務

これまでの説明を踏まえて、サービス管理責任者とは相談支援の専門職ということが言えます。

業務を行う上で重要視されるポイントは、コミュニケーション能力や問題解決能力などが求められます。

コミュニケーション能力については、また別の記事で解説できればと思います。

柔道整復師の可能性をもっと広めていこう

柔道整復師は、治療を行う上で問診行いを要点を施術記録に記載し、スタッフ間で情報を共有します。

また、患者さんに対し治療を行う前には、きちんと施術内容を説明し相手の同意を得た上で施術を開始します。

これらの業務の一連は、サービス管理責任者の業務と共通する部分があり、柔道整復師がサービス管理責任者として活躍できる要素だと考えられます。

柔道整復師が活躍の場を広げるには、サービス管理責任者という選択肢があるということ、多くの柔道整復師の方に知ってもらえれば幸いです。

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