鍼灸師になるにはどうすればいい?【資格取得までの道のり】

手技療法の職種
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鍼灸師になるには

鍼灸師になるには、鍼灸師養成施設として認定されている専門学校(3年制以上)、短大(3年制)、大学(4年制)で所定の科目を履修した後に受験資格を得ることができ、国家試験に合格することで鍼灸師になることができます。

鍼灸師の試験について

鍼灸師国家試験の科目は以下のとおりです。

鍼師
医療概論(医学史を除く)、衛生学・公衆衛生学、関係法規解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、はり理論、東洋医学臨床論の13科目

灸師
医療概論(医学史を除く)、衛生学・公衆衛生学、関係法規解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、きゅう理論、東洋医学臨床論の13科目

ただし、鍼師と灸師を同時に受験する者に対しては、はり理論又はきゅう理論以外の共通科目について受験者の申請によりその一方の試験を免除することができます。
したがって、ほとんどの方が鍼師と灸師の国家試験を同時に受験します。
ただし共通科目が合格基準に達していても、はり理論、きゅう理論が合格基準点に満たない場合は不合格となります。
共通科目とはり理論が合格基準に達し、きゅう理論が合格基準点に達していない場合は、鍼師は合格し灸師は不合格となるケースもあります。

国家試験の願書受付期間は例年12月の初めから20日頃までとなっています。
通っている専門学校を通じて『公益財団法人 東洋療法研修試験財団』から願書を受け取り提出してください。

試験は例年2月下旬に行われ、試験の形式は四肢択一で回答はマークシートの数字を塗りつぶします。実技試験はありません。
試験の時間帯は午前と午後に分かれており、午前に80問と午後に80問の合計160問出題されます。
試験時間は午前午後共に2時間です。はり師国家試験、きゅう師国家試験のいずれか一つを受験する場合は、きゅう理論10問、又ははり理論10問が除かれ午後は70問になります。
ただし、視覚障害者の方の試験時間はこの限りではありません。

下記の表を参考にしてください。

資格取得後の就職先について

『鍼灸院』『鍼灸整骨院』『リハビリテーション科』『スポーツトレーナー』『美容サロン』などがあります。在宅医療として『訪問治療』を行っている方もいます。
最近では『介護福祉分野』でのデイサービスや高齢者施設で機能訓練指導員として働くことができます。

特に女性の鍼灸師は『美容サロン』での美容鍼灸などのニーズも高くなっています。また、不妊治療などでも鍼灸を取り入れているところもあり、『産婦人科』で活躍される鍼灸師もいます。
もちろん、治療経験を積んでいけば独立開業もできます。あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師の資格取得し、それぞれの資格の特性を組み合わせて幅広い活躍をされている方もいます。

今後の鍼灸師について

東洋医学が「伝統医療」としてWHO(世界保健機構)から公式に認められました。
当然のことながら鍼灸の治療もそのなかに含まれおり世界中で鍼灸師の存在が知れわったています。
様々な疾患に対して医療として患者を治療できるということです。
しかし東洋医学が世界的に認められたといっても、日本と中国とでは根本的に治療に対する考え方が違うように感じます。
中国では「医療」として取り扱われていますが、日本ではまだ「医療の補助や代替え」と考えられています。
現在の日本では一部の疾患にしか保険が適用されていません。この現状は、これから先も大きく変わるということはないかと思われます。
しかしながら鍼灸師の強みはなんといっても鍼と灸を取り扱うことができることです。
その技術にマッサージやストレッチなどの手技療法を身に付け、さらに鍼灸治療と組み合わせることができれば、鬼に金棒でしょう。
また『柔道整復師』の資格と合わせて『鍼灸整骨院』を開業し幅広い疾患に対応することも可能です。
なお鍼灸師はこれからも有資格者が増えていくことが予測されると同時に過当競争も予測されます。

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