あん摩マッサージ指圧師になるには
あん摩マッサージ指圧師になるには、あん摩マッサージ指圧師養成施設として認定されている専門学校(3年制以上)、短大(3年制)、大学(4年制)で所定の科目を履修した後に受験資格を得ることができ、国家試験に合格することであん摩マッサージ指圧師になることができます。
あん摩マッサージ指圧師の国家資格を目指すには専門学校等を卒業しなければならないのですが、現在国内にあん摩マッサージ指圧師を学ぶことができる養成機関は20校程度しかありません。
そのため、あん摩マッサージ指圧師の専門学校に入学すること自体が難しいです。
年齢を気にせず一生の仕事として働くことができる人気資格で希望者が多いのですが、募集人数は少なく、倍率が高くなっている傾向がみられます。
もともと、あん摩マッサージ指圧師の資格は視覚障害者のための仕事を確保していきましょうという背景があり、障害者以外の資格者が増えすぎないよう規制されていました。
現在は徐々に規制は緩和はされ、健常者が増えてきていますが、あん摩マッサージ指圧師の養成学校への入学は狭き門となっているため、学校に入学するための対策が必要となってくるでしょう
あん摩マッサージ指圧師の試験について
あん摩マッサージ指圧師国家試験の科目は以下のとおりです。
医療概論(医学史を除く)、 衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論・経絡経穴概論、あん摩マッサージ指圧理論、東洋医学臨床論の12科目となります。
現在、あん摩マッサージ指圧師国家試験においては筆記試験のみで実技試験はありません。
ただし各専門学校等では技術が一定のレベルに達しているかを見極めるための実技試験を行っているところがほとんどです。
国家試験は筆記試験のみだからといって実技をおろそかにしていると実技試験で不合格となり卒業を認められないといったケースもあります。
各専門学校の卒業試験に合格することができないと、本番の筆記試験を受験させてもらえない場合もありますので実技も学科も両立して取り組むことが大切です。
国家試験の願書受付期間は例年12月の初めから20日頃までとなっています。
通っている専門学校を通じて『公益財団法人 東洋療法研修試験財団』から願書を受け取り提出してください。
試験は例年2月下旬に行われています。
試験の形式は四肢択一で回答はマークシートの数字を塗りつぶします。
実技試験はありません。
試験の時間帯は午前と午後に分かれており、午前に75問と午後に75問の合計150問出題されます。
試験時間は午前午後共に2時間となっています。
ただし、視覚障害者の方の試験時間はこの限りではありません。
下記の表を参考にしてください。
資格取得後の就職先について
あん摩マッサージ指圧師の就職先は『訪問リハビリマッサージ』など在宅医療の現場での需要が高まっています。
『マッサージ指圧治療院』や『病院のリハビリテーション科や整形外科』で活躍されている方もいますし『スポーツトレーナー』になる方もいます。
『介護福祉分野』ではデイサービスや高齢者施設で機能訓練指導員として働くことができます。
あん摩マッサージ指圧師に加え『鍼灸師』や『柔道整復師』といった国家資格を同時に取得されている方もおり、それぞれの資格の良さを活かして活躍されている方もいます。
治療院などである程度の経験を積み、独立開業を目指すこともできます。
今後のあん摩マッサージ指圧師について
現在の日本の法律では、『あん摩マッサージ指圧師』と『医師』の国家資格を持つ者以外がマッサージを業務として行うことは認められていません。
マッサージ店や整体院の店が数多く営業されていますが、それらの多くは国家資格を有していない方が多いということが現状です。
多くのマッサージ店では、マッサージの名称の前に、〇〇マッサージとして営業されています。
例えば”タイ式”マッサージだとか、”リラクゼーション”マッサージだとかです。
マッサージの頭に〇〇式と付け加えれば、別物であるというのが厚労省の見解なんですね。
リラクゼーションや慰安目的のマッサージは、保健所や厚労省の管轄外なんですね。
このように色々なマッサージ店が増えていくことで、純粋な『マッサージ師』達の活躍の場が少なくなっている傾向にあります。
中には『マッサージ』という名称を入れずに『手もみ』や『もみほぐし』などの名称で営業しているとこも多くみられ、非常に曖昧になっています。
選ぶ側の利用者たちは『あん摩マッサージ指圧師』という資格やマッサージに関する法律を知らない人が多く、どこでマッサージを受けても同じだという認識の方が多いです。
『治療院』という堅苦しい名称よりも『リラクゼーション』や『もみほぐし』という名称のほうが気軽に入りやすいといった心理も働くのかもしれません。
国家資格だから優れている、無資格者だから劣っているということは一概に決めつけることはできませんが、曖昧な基準による問題は今後も続いていくかと思われます。
コメント